服薬アドヒアランスとは?

まだ一般的にはなじみの薄い言葉である「服薬アドヒアランス」。これは「患者さん自身が自分の病気を受け入れて、医師の指示に従って積極的に薬を用いた治療を受けること」を意味する言葉です。最近では、この考え方が病気の治療において重要な意味を持つことがわかり注目を集めています。

 

生活習慣病と服薬アドヒアランス

生活習慣病など複数の病気を抱える患者さんの場合、必然的に、薬の種類や量が多くなり、服薬アドヒアランスが悪くなりがちです。

松山市民病院に通院する糖尿病患者さんを対象に調査を行ったところ、1人当たり約6種類、10錠(散剤、カプセル剤を含む)もの薬を飲んでいました。そのうち、糖尿病の薬を飲み忘れたことのある患者さんは約6割で、その頻度は月に約3回という結果でした。特に食前や昼に内服が必要な患者さんで飲み忘れが多いようです。糖尿病に限らず、服薬アドヒアランスが悪い患者さんでは、治療の効果が悪くなることが知られていますので、注意が必要です。

 

薬が飲みにくいと思ったら

「種類が多い」などさまざまな理由で薬が飲みにくいと思った時は、かかりつけ医に相談してください。希望に合わせた薬を処方できることもあります。最近では「配合剤」という異なった成分を1つに配合した薬や、週1回や月1回で効果が得られる薬もあります。

飲み忘れた薬が増えてしまう前に、一度かかりつけ医に相談してみましょう。

 

 

企画:日本医師会 ~健康プラザより~